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第31回清水杯柔道大会(決勝戦)

カテゴリー:過去情報 更新日:2015.10.20

決勝戦の組合わせはワイルドカードから勝ち上がり、一人少ないながら見事に勝ち上がってきた2Aと今年こそ悲願の初優勝を狙う3Aとの対戦となった。

オーダーは下記の通りとなった。
                  3A               2A
先鋒  中村 郁美      工藤安友子
次鋒  高橋 修輔      本山  暉
五将  下村 悟司      飯島 瑞基
中堅  田村     海      上妻 大輔
三将  久保田剛史     荒木 哲朗
副将  竹本  直人
大将  棚井  耕助      福井 清正

下馬評こそ一人多い3Aの勝利は堅いかと思われるが、穴がない3Aの布陣を崩すとするなら次鋒の本山、五将の上妻、三将の荒木、大将の福井で確実にポイントが取れば2Aの勝利も見えてくる。しかし3Aの布陣にウイークポイントが見当たらなく、一人少ない2Aがどれだけ勝負どころで踏ん張るかが勝敗のポイントとなると考える。

先鋒戦、3Aは中村、2Aは工藤。序盤からお互い前へ出る柔道でしばらくこう着状態が続く。中村が振り回した際に工藤がうつ伏せで倒れ、寝技に持ち込むが待てがかかる。その後も中村は右体落としを連続してかけた事でたまらず工藤は回転して畳につき、技ありとなる。そのまま中村は押え込みで合わ技一本となり、3Aが先制する。
中村は小柄ながら同級生の男子にいつももみくちゃにされながら頑張ってきた学生である。おそらく女子で一番成長した選手ではないかと考える。

次鋒戦、勝敗のポイントとなる1戦の一つであるが、勝負はあっけなく決まってしまった。序盤がっぷり四つで組み合う両者であるが崩れながら仕掛けた高橋の背負投げで本山は転がってしまい技ありが宣告される。その後も同じ背負投げを仕掛けた結果技ありとなり、合せ技で高橋の勝利となった。
元々高橋は力こそあるものも勝ちきることができなかったが、この1年で跳ねる技と担ぐ技を身につけ、チームに勢いをつけるとともに確実に勝利するポイントゲッターへと成長した。

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五将戦、上背があるが線が細い下村と体の小さい飯島との対戦。下村が積極的に技を仕掛けるが飯島はうまく捌く状況が続く。下村が連続技をしかけ、もつれながら押さ込みになるが、早々に解けたとなる。その後も下村は積極的に技をしかけ飯島に攻め入る隙を与えず、小内刈りから払腰の連続技を終始徹底した結果、見事にはまり飯島はたまらず宙を舞い一本。
下村は練習では他の柔道部員からいつもコテンパンにやられ、過去の大会でも負け続けてきたが、最後の大会では見事花を咲かせることができた。過去2年は試合後負けて泣き続けてきたヘタレが、今年は勝って泣くことができた姿を見ると、彼を誇らしく思うところがある。

中堅戦、ここで3Aが勝てば優勝が決まる一戦。剣道経験があり力のある田村ともう無理と言いながらチームの為に戦い続けてきた上妻との対戦。田村は序盤から強引な払腰を仕掛けるが上妻はうまく捌く。がっぷり組む田村に対し、上妻はやや防御姿勢の状態が続く。試合中盤田村は体落としから強引な払巻込みを仕掛け有効となりそのまま押込みで一本勝ち。3Aは前4人で優勝を決める。

三将戦、チームの勝利は決まったが、決して気を抜かない巨漢の久保田とレスリング経験のある荒木との対戦。序盤から久保田は内股を仕掛けるが不十分な為、荒木はうまくかわす。久保田が仕掛けるが、荒木が組手でうまく捌く状況が続き、展開が進まぬまま試合終了。引き分けとなる。

副将戦は竹本の不戦勝で勝利した。

大将戦、チームの精神的支柱である棚井と上背があるが器用な動きをする福井との対戦。
福井にやや自力があるものの最後の試合をどう棚井が望むか注目される。
福井が積極的に前へ出るが、棚井も下がらず対応する状況が続く。チームの敗退は決まっている福井は徐々に優位に試合を進めるがポイントとなる技がないのに対し、棚井は福井の攻めにうまく対応しているが徐々にスタミナがなくなってきている。お互い効果的なポイントがないまま試合終了、引き分けとなる。
結果、5-0で3Aの初優勝となった。

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ここまで4試合を戦い3Aは24勝1敗3引分けと他を圧倒する試合内容であった。また試合内容も初心者とは思えないものであった。1年時準優勝、2年時3位と勝ち切れなかったクラスが初めて王座に輝いたが、この勝因はクラスの団結力と、どんな時もぶれずにひたむきに練習に臨んできた事につきる。チームの勝敗は初心者男子の出来具合により左右されると言っても過言ではないが、3Aの初心者男子は年々成長を重ねてきて、初心者同士の戦いを見ても有段者対初心者のような堂々とした戦いであった。試合後の涙が全てを物語る事ができる。
また日頃から彼らの柔道に携わってきて、楽しみながらも貪欲に取り組む姿勢と成長を伺えたのは嬉しい限りである。
敗れた2Aも初めは出場こそ危ぶまれたが、ギリギリのところで選手が集まり、一人少ないながらもあれよという間に勝ち上ってきた。ミラクルが起きたと言えばそれまでだが、勝負のポイントで要所を締める選手がいたから勝ち切れたのであろう。結果こそ3Aの圧勝であったが、よく頑張ったと思う。

優勝 3A  準優勝 2A  三位 1B

今年は3Aの完全優勝で幕を閉じた清水杯柔道大会。来年はどんなドラマが繰り広げられるのでしょう。長々とお付き合いありがとうございました。

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