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個々の力と結束力で3Cが2連覇達成!清水杯校内柔道大会講評(後編)

カテゴリー:過去情報 更新日:2014.10.21

こんにちは。教務のコバヤシです。
前編に引き続き後編に移ります。

決勝トーナメントは抽選の結果、準決勝第1試合は3C対3A、第2試合は1B対2Aとなった。

第1試合、先鋒(女子)は経験者である宮沢選手を有する3Cが勝利すると、無段者男子が次々と勝利を重ね、大将戦を待たずに勝負がつき、5対2で3Cが2年連続で決勝に進出した。
女子で絶対的エースである宮沢選手に加え普段から柔道部で活動している無段者男子の丸山選手、松木選手、松井選手、竹川選手のいる3Cは層が暑く、ケガで時を待っていた山田選手を含めてもどこからでもポイントがとれ、唯一穴とすれば有段者男子のみで試合内容を見ていても昨年度と比較して卒がなく、大将以外ならどこでも勝負できるチームへと変貌していた。

第2試合は予想と反する混戦で両チームとも取って取られての模様となり、どちらに勝利が転がり込むか手に汗握る模様となった。
3対3で向かえた大将戦。1Bは左組みの小林選手、2Aは右組みの棚井選手。試合開始から小林選手の素早い組み手から積極的に技を繰り出していたが、体の大きい棚井選手は両襟を掴み動きを制する時間が続いた。
1分半過ぎ、小林選手が素早い組み手から右に体をずらした瞬間に左背負投を繰り出すと棚井選手が左肩から転がり、審判のジェスチャーは「技あり」に限りなく近い「有効」となった。
周りの歓声で投げた小林選手も状況が把握できていない様子であったが、そのまま押え込みで「一本」となり、1Bの勝利となった。

昨年度と比較して2Aは、チームとしての結束力はずば抜けていたものの、開けてみると先述した予選の1試合目で明暗が分かれた結果となり、個々の力が十分に発揮できない形となってしまった。
やはりもし負けたらという心理的な何かが影響したのか分かり兼ねる部分があるが、競った試合でありがちな事もあり、最後は気持ちで勝った者が勝ち残ったのではないか。団体戦での勝利条件は「負けない」事で、勝てなくても引き分ける事で戦略が大きく変わってくる。2Aは勝てる選手をそろえていたにもかかわらず、心理的に何かが影響したのではないだろうか。
筆者も1Bの爆発的な勢いは予想していなかったが、十分決勝に進出するだけの勢いと個々の能力がマッチした面白いチームであった。

決勝に先立ち3位決定戦行われ、準決勝で敗れた3Aと2Aの夜間部対決となった。
先鋒、次鋒はそれぞれが勝利し、1対1で向かえた五将戦は3Aは筋肉しかない北川選手、2Aは力の強い高橋選手との対戦。序盤右組同士で膠着状態が続き高橋選手の右内股で北川選手は畳に倒れるがポイントは無し。その後、高橋選手やや強引な右背負投が「有効」となり、そのまま抑え込みで2Aが一つリードした。

中堅戦、3Aはここまで秘密兵器として温存していた巨漢、西岡選手、2Aは線が細い笈川選手。両者右組で膠着状態の中、西岡選手が大技を繰り出すかと思いきや、絶妙なタイミングでの右小内刈が「一本」となり3Aが2対2のタイに戻す。

三将戦3Aは太田選手、2Aは無段者男子のエース格である久保田選手との対戦。
がっぷり組む久保田選手に対して太田選手はやや防御姿勢が続く中、久保田選手の放った右払腰が太田選手の身体で綺麗な放物線を描いた後に畳に衝き「一本」。2Aが再び一歩リードする。

副将戦3Aは小柄であるがここまでチームを勝利へ導いて来た小谷選手、2Aは力が強く動き出したら止まらない田村選手との対戦。ここで2Aが勝利したらチームの勝利となる。序盤田村選手の放った背負投がポイントにならなかったが、終始田村選手が攻め続け、最後は田村選手の支釣込足からの抑え込みで「一本」。
大将戦を待たずに勝負が決まった。

向かえた大将戦は2Aの棚井選手が払腰で一蹴。結果、5対2で夜間部対決は2Aが勝利し、3位となった。
予選での試合が物を言う結果となったが、選手達は最低限の結果と受け止めている様子であった。
棚井選手は「来年はこのクラスで絶対優勝したい」と言っており、この大会がクラスの雰囲気を良い方向にもたらしている事は間違いない。来年に期待したい。

決勝戦は2年連続決勝進出となった3Cと、ここまで爆発的な勢いで上がって来た1Bとの対戦。試合前3Cは円陣を組んで決勝戦に臨む。

先鋒戦。3Cは絶対的エースの宮沢選手、1Bは未経験者の小野選手。個人的には怪我させないで終わって欲しいところ。試合早々宮沢選手は形のような大腰を放ち、優しく畳みに投げ「一本」。3Cがリードした。

次鋒戦、3Cは昨年この大会でコーレス骨折をしてから一生懸命練習してきた松井選手、1Bは細身であるが身体のバランスの良い鈴木選手との対戦。力任せに技を繰り出す鈴木選手に対して、正しい組手で相手の動きを制する松井選手。両者膠着状態の中、松井選手が右奥襟を掴むと鈴木選手は後方にさがった瞬間に右小外刈が奇麗に決まり「一本」。3Cが2つリードした。

続く五将戦3Cは柔道部のキャプテンでもある丸山選手、1Bはここまでチームを勝利へ導いて来た香月選手。両者とも無段者男子のエース格である。丸山選手左組、香月選手右組で両者背中を掴み絡み合う。
香月選手が下から背中を掴み、その上を丸山選手が背中を掴む状態から香月選手有利の状況で右払腰を放つが、待ってましたかのように丸山選手が体を左に裁き、左小外掛で香月選手の体が宙を舞い「一本」。3Cが勝利まであと一つとなった。

中堅戦。ここで3Cが勝利して優勝が決まる。
3Cは毎試合吠えながら試合に臨む松木選手。ここで優勝が決まると思い、やや緊張気味で試合に臨む。
対する1Bは何とか後ろの選手に繋ぎたい小嶋選手。開始早々松木選手ががっぷり組み右内股をかけるがやや浅い。その後素早く右大外刈を放った後に体落に移行してそのまま「一本」。その瞬間にチームは大興奮となり、3Cは前4人で優勝を決めた。

その後、三将戦は3Cは竹川選手、1Bは板倉選手。チームは勝利したがその勢いは止まらず、開始早々竹川選手の放った右大外刈が決まり、3Cが勝利を重ねる。

副将戦、3Cは足の怪我を押して決勝戦に出て来た山田選手、1Bは大型の笠原選手。1Bは来年に繋げる試合をしたい。笠原選手は身体の利を活かして右奥襟を掴み、山田選手は防戦となる。直後に笠原選手の放ったやや強引な右払腰で山田選手は宙を舞い「一本」。1Bは一矢を報いる。

大将戦。3Cは怪我をしやすい中谷選手、1Bは加我選手。
開始早々、左変形気味の組手から積極的に技を仕掛ける加我選手に対し、中谷選手は防戦一方で次第に顔色が悪くなる。1分過ぎ防御姿勢の中谷選手に「指導」が入る。試合中盤、やや腰を引き気味の中谷選手の横からスッと左脚を入れながら加我選手が払腰を放つとそれが「技あり」、その後も攻め続ける加我選手はもう一度払腰を放つと今度は「一本」。
結果、5対2で3Cの2連覇を飾った。

試合を通じてみると、体力のある学生が多いチームが上位に進出するのは間違いないが、やはり普段から練習を積み重ねてきた者が最終的に優勝する確率が高い。3Cの選手は入学当初、柔道の事等何も知らない学生が殆どであったが、興味を持ち始めてからどんどん強くなって来たのが手に取るように分かる。試合内容もやはり練習して来た選手は初心者の中でも「柔道の形」になっており、彼等が継続は力なりという事を証明した大会であったと感じた。
優勝した丸山選手は「この日の為に頑張ってきた」と試合後語っており、松井選手は「このクラスが益々好きになった」とも語っていた。この柔道大会が契機となってクラスの結束力や団結力が増すのはいうまでもなく、同時に柔道に興味を持ち始める学生も少なくない。
また来年もこの大会があるが、どのような結果となるか、またそれによってクラスにどのような影響をもたらすか、見守っていきたい。

長々とおつき合い頂き、ありがとうございました。
最後に全員で記念撮影。

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